茶の湯スフィア 索引茶花 / 白梅

白梅

はくばい / 春

寒気の残るうちに、葉に先立って花を開き、清冽な香を放つ。百花に先がけて咲くことから、気高さ・先駆の象徴とされた。中国渡来の文人趣味とともに尊ばれ、茶席では早春の床に香り高く据えられる。[通]

分類
バラ科の落葉高木
花期
寒気の残るうち、葉に先立って開く。百花に先がけて咲く
異称
百花魁(ひゃっかかい)/花兄(かけい)/春告草。陰暦十二月の異名に「梅見月」がある
中国での位置
歳寒の三友(松・竹・梅)。菊とは「花の兄弟」、水仙とは「歳寒の兄弟」。いずれも梅が兄とされた
和歌での初出
『万葉集』に梅の歌百十五首。年紀の明らかな最古は神亀四年(七二七)正月
紅梅の初出
『三代実録』貞観十六年(八七四)八月二十四日条「東宮紅梅
評価
貝原益軒『大和本草』(宝永五年・一七〇八)「白キ単葉ノ香アルヲ好品トス
深く知る ── はじめに

奈良時代、ただ「花」といえば梅を指した。しかもそれは白梅である。平安になって「花」の座は桜へ移ったといわれるが、その移り方は通説ほど単純ではない。白梅・紅梅・桜という三者の関係を、渡来の時期、和歌の実数、宮城の庭木の植え替えという三つの角度からたどると、日本文化が大陸のものを受け入れ、やがて自前の感覚を持つに至る過程が、そのまま見えてくる。

……

この続き(およそ4,700字)は、会員の方がお読みになれます。
史料の読み比べ、説の一覧、典拠の明示まで。月500円から。

入会のご案内 ──▸
つながる項目
紅梅 季節の茶花 床の間 蝋梅 木瓜 沈丁花 満作
出典

伊藤敏子ほか『新版 茶花大事典』淡交社/「はじまりの茶の湯学」茶花一覧資料

球体でひらく ──▸ /  茶花の項目一覧 /  はじまりの茶の湯学
監修・武井宗道。通説と、史料から確かめられることを分けて記しています。