夏、朝に開き夕にしぼむ一日花を、木全体では夏中咲き継ぐ。一輪の儚さと、咲き続ける生命力を併せもつ。夏茶花として最も尊ばれる花の一つ。品種が多く、底紅の宗旦木槿、純白の遠州木槿、祇園祭のころ咲く祇園守など、白い木槿が茶席に好まれる。[通]
むくげは矛盾を一本の木に抱えている。一輪は一日で萎むのに、木全体は中夏から中秋まで次々と咲き続ける。その矛盾は名にも及んでいて、「槿」の字は「わずか」を意味し、別名「無窮花」の「無窮」は「きわまりない」を意味する。正反対の二語を同時に負っている花である。茶人が夏の主役にこの花を選んだ理由は、姿の美しさだけでは説明がつかない。
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茶花vol.5(むくげ)/「はじまりの茶の湯学」茶花講義