梅雨どきに咲き、土の酸性度により青から紅へ色を変える。移ろう色が無常を映す。日本原産のガクアジサイが原種。雨の季節の床に、しっとりとした風情を添える。[通]
紫陽花は、日本の花でありながら、日本の古典のなかで長く冷遇されてきた。『万葉集』に二首、平安の王朝文学ではほとんど顧みられない。理由は、この花が色を変えるからである。ところが江戸以降、まさにその「色が変わる」ことによって価値が反転した。忌避された性質が、そのまま愛される理由になった花である。そのうえ「紫陽花」という漢字自体が、この花のものではない。
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伊藤敏子ほか『新版 茶花大事典』淡交社/「はじまりの茶の湯学」茶花一覧資料