茶の湯スフィア 索引茶花 / 紫陽花

紫陽花

あじさい / 夏

梅雨どきに咲き、土の酸性度により青から紅へ色を変える。移ろう色が無常を映す。日本原産のガクアジサイが原種。雨の季節の床に、しっとりとした風情を添える。[通]

分類
落葉低木。葉は対生で広卵形、縁は粗い鋸歯状(古い資料はユキノシタ科とする。近年はアジサイ科に分類される)
散形花序で球状の集団に見えるが、これは発達した萼片であり、実を結ばない飾り花
原種
日本で生まれた額あじさいの変種。本あじさい・在来あじさいとも呼ばれる
性質
「日をオソル」といわれるほど日陰でよく咲く。家の北側でも、山の樹木の陰でもさしつかえない
古名
味狭藍(『万葉集』)/集真藍(あづさあい)/よひらの花
和歌初出
『万葉集』巻二十、天平勝宝七年(七五五)五月十一日、橘諸兄の詠歌
学名
シーボルトが『日本植物誌』でオタクサと命名。日本での妻・楠本滝(お滝さん)の名による
毒性
食用不可
深く知る ── はじめに

紫陽花は、日本の花でありながら、日本の古典のなかで長く冷遇されてきた。『万葉集』に二首、平安の王朝文学ではほとんど顧みられない。理由は、この花が色を変えるからである。ところが江戸以降、まさにその「色が変わる」ことによって価値が反転した。忌避された性質が、そのまま愛される理由になった花である。そのうえ「紫陽花」という漢字自体が、この花のものではない。

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つながる項目
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出典

伊藤敏子ほか『新版 茶花大事典』淡交社/「はじまりの茶の湯学」茶花一覧資料

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監修・武井宗道。通説と、史料から確かめられることを分けて記しています。