夏の早朝に開き、昼にはしぼむ一日花。朝茶事の主花とされ、客が席入りしてから、花が少しずつ開いてゆく様を、時の経過として味わう。時計のない時代、花の開き具合が茶事の時を告げた。一日で終わる命の儚さと、刻々と移ろう姿が、朝の茶席の主題となる。[通]
今日「あさがお」といえばこの花である。ところがこの花は、その名を後から手に入れた。平安初期に薬草として中国から渡って来たとき、日本にはすでに「あさがお」と呼ばれる花がいくつもあった。渡来からおよそ百年のあいだに、この花はそれらから名を奪い、以後千年その名を離さない。渡来種が在来種の名を簒奪するという、珍しい現象がここで起きている。
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茶花vol.5(あさがお)/「はじまりの茶の湯学」茶花講義