茶の湯スフィア 索引茶花 / 朝顔

朝顔

あさがお / 夏

夏の早朝に開き、昼にはしぼむ一日花。朝茶事の主花とされ、客が席入りしてから、花が少しずつ開いてゆく様を、時の経過として味わう。時計のない時代、花の開き具合が茶事の時を告げた。一日で終わる命の儚さと、刻々と移ろう姿が、朝の茶席の主題となる。[通]

分類
ヒルガオ科の蔓性一年草。蔓は左巻きで三メートル以上に伸びる。葉は淡緑で互生、漏斗状の花
花期
七月から九月。朝に開いて昼には萎む典型的な一日花
来歴
日本に自生していた花ではない。平安時代初期に中国から渡来
漢名
牽牛子(けんごし)。種子は下剤・利尿剤。黒い種を黒丑、白い種を白丑という
毒性
貝原益軒『大和本草』は「本草云有毒猛烈」とし、みだりに用いてはならないとする
名の初出
『古今和歌集』ではまだ漢名の転音「けにごし」。十三年後の『本草和名』に「和名 阿佐加保
深く知る ── はじめに

今日「あさがお」といえばこの花である。ところがこの花は、その名を後から手に入れた。平安初期に薬草として中国から渡って来たとき、日本にはすでに「あさがお」と呼ばれる花がいくつもあった。渡来からおよそ百年のあいだに、この花はそれらから名を奪い、以後千年その名を離さない。渡来種が在来種の名を簒奪するという、珍しい現象がここで起きている。

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つながる項目
茶花 昼顔 無常 一期一会
出典

茶花vol.5(あさがお)/「はじまりの茶の湯学」茶花講義

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監修・武井宗道。通説と、史料から確かめられることを分けて記しています。