初冬、茶の木が白い小花を下向きに開く。椿の近縁。茶を生む木の花を茶席に生けることには、源を尊ぶ趣がある。ひそやかな白が炉の季にふさわしい。[通]
茶の木の花である。飲むための葉ばかりが語られるが、秋の深まる頃、艶のある緑の葉のあいだに白い小さな花をいくつもつける。椿の仲間らしく、なんともいえない品がある。この花を辿ると、「茶」という字がどこから来たのか、そしていつ日本に来たのかという問題に行き当たる。正倉院文書に見える「荼」の字をもって、奈良時代にすでに茶があったとする見方があるが、その根拠は揺らいでいる。
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伊藤敏子ほか『新版 茶花大事典』淡交社/「はじまりの茶の湯学」茶花一覧資料