茶の湯スフィア 索引茶花 / 椿

椿

つばき / 冬

晩秋から春まで咲き継ぐ、茶花の王。とりわけ炉の季の主花とされ、つぼみがちの一輪を清楚に生ける。侘助・白玉・有楽など茶人好みの品種が多い。花ごと落ちる潔さも尊ばれる。冬の茶席に欠かせない。[通]

分類
ツバキ科の常緑高木〜低木
渡来
有史以前、海流に乗って南方から渡来したといわれる。時期も経路も、いまだ不明
原種
やぶつばき(温暖地。東北まで分布)とゆきつばき(日本海側の豪雪地)── この二種を基に、江戸・中京・京・肥後などの名花が生まれた
異名
海石榴/海紅花 ── 「海」の字は、海外から来たことを表すとみられる
茶の湯での位置
炉の季節の花。十一月から四月、炉を塞ぐまでの半年間、茶の湯の花の主役
自生の北限
秋田県 男鹿半島の能登山(日本海側)/青森県 平内町東田沢(夏泊半島)
深く知る ── はじめに

茶の湯の花の主役である。十一月に炉を開いてから四月に炉を塞ぐまで、半年ものあいだ床を務める花はほかにない。何千種ともいわれるが、茶の湯で使えるものはそう多くない。それでも初冬から春にかけて早咲きと遅咲きが都合よく咲き継ぐので、その種類によって季節の推移が表せる。ただし花は気候の寒暖に左右されるので、年によっては三月末からすでに不自由することもある。なかなかにままならない花である。

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つながる項目
季節の茶花 山茶花 侘び 床の間 茶の花
出典

伊藤敏子ほか『新版 茶花大事典』淡交社/「はじまりの茶の湯学」茶花一覧資料

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監修・武井宗道。通説と、史料から確かめられることを分けて記しています。