晩秋から春まで咲き継ぐ、茶花の王。とりわけ炉の季の主花とされ、つぼみがちの一輪を清楚に生ける。侘助・白玉・有楽など茶人好みの品種が多い。花ごと落ちる潔さも尊ばれる。冬の茶席に欠かせない。[通]
茶の湯の花の主役である。十一月に炉を開いてから四月に炉を塞ぐまで、半年ものあいだ床を務める花はほかにない。何千種ともいわれるが、茶の湯で使えるものはそう多くない。それでも初冬から春にかけて早咲きと遅咲きが都合よく咲き継ぐので、その種類によって季節の推移が表せる。ただし花は気候の寒暖に左右されるので、年によっては三月末からすでに不自由することもある。なかなかにままならない花である。
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伊藤敏子ほか『新版 茶花大事典』淡交社/「はじまりの茶の湯学」茶花一覧資料