茶の湯スフィア 索引道具 / 井戸茶碗

井戸茶碗

いど ぢゃわん / 茶碗

高麗茶碗を代表し、侘び茶の道具として高く評価された。枇杷色の釉、竹節高台、高台脇の梅花皮(かいらぎ)。朝鮮の器を茶人が見立てて茶碗とした。もとが日常雑器か祭器かは決着していない。茶会記に『井戸茶碗』と出るのは天正六年(1578)で、以後急速に主役となる。窯址は長く不明だったが、慶尚南道晋州周辺で青井戸を焼いた窯が確認されつつある。[通]

分類
高麗茶碗の一種。朝鮮半島製。高麗時代(九一八〜一三九二)ではなく朝鮮時代(一三九二〜一九一〇)の作。十六世紀初め頃に渡来したと考えられている
大井戸・小井戸(古井戸)・青井戸・小貫入。ほかに井戸脇
天下三井戸
喜左衛門井戸・細川井戸・加賀井戸。これに筒井筒が匹敵する
大井戸の見所
胴の轆轤目竹節状の高台/高台内の兜巾枇杷色の釉/高台まわりの梅花皮/見込みの目跡。口径十五センチ前後、高台径四・五センチ(林屋晴三)
名の初出
「高麗茶碗」=『実隆公記』永正三年(一五〇六)/茶会での明確な使用例は『松屋会記』天文六年(一五三七)。「井戸茶碗」=『天王寺屋会記・宗及他会記』天正六年(一五七八)
評価
『山上宗二記』「井ト茶碗 是天下一の高麗茶碗、山上宗二見出テ名物に成 関白様ニあり」
深く知る ── はじめに

井戸茶碗は、侘び茶が見出した器の極地とされてきた。だが、この茶碗について確実に分かっていることは、驚くほど少ない。どこで焼かれたかも、何のために作られたかも、確定していない。日本の茶人が最上と定めたその茶碗が、故国の陶磁史のなかでどこに置かれるべきかさえ、長く定まらなかった。以下は、分かっていることと、分かっていないことを、切り分けて並べる試みである。

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つながる項目
高麗茶碗 見立て 千利休 侘び 楽茶碗 茶碗 青磁茶碗 灰被天目
出典

「はじまりの茶の湯学」茶碗物語/高麗茶碗のはなし資料

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監修・武井宗道。通説と、史料から確かめられることを分けて記しています。